初めてミマタさんからブログ構想を聞いてから一ヶ月後。
やっぱり中野新橋の喫茶店『ぶるまん』に呼び出され俺は、
一抹の不安の抱えながら店へと向かった。
『ぶるまん』の前につくとミマタさんが難しい顔して立ってます。
「どーしたんですか?」
と俺が聞くと、
「今日休みなんだよ」
とかなりご機嫌斜めな様子・・・
ミマタさん行きつけの喫茶店『ぶるまん』が休みなようです。
正直、
「どこだっていいじゃん!」
なんて、心で軽く突っ込ませてもらい、
しかたなく『ドトールコーヒー』でインタビューをすることに・・・
「アル君、今年も始まるわけよ!」
何がはじまるのかさっぱりわからず、
適当にうなづいていると、
「『お~い!竜馬』ですよ!」
あっそうか、
去年の秋にミマタさんがプロデュースして立ち上げた、
小山ゆう先生&武田鉄矢さん の
大人気漫画『お~い!竜馬』の舞台の話でした。
「去年は小山先生も観に来てくれて喜んでもらったわけ。
で、舞台終わって小山先生に呑みに連れて行ってもらって、
店までの道すがら僕が小山先生のちょっと先を歩いて
小山先生が僕の後ろを歩いてたわけ。
気分はもーあれですよ。
小山先生が勝海舟で僕は竜馬。
京都の町を闊歩してる気分なわけですよ、これわかる?
そん時にさりげなく先生に言われた言葉があるんです」
先生曰く、「ミマタ君、今回の舞台はのべ何人お客さん入ったの」
「2000人です」
先生:「でも日本の人口は一億でしょ。
まだまだ沢山の人がミマタ君の竜馬を観てないんだね」
「僕、それ聞いてもービンビンですよ。
正直感動して泣きました。
矢沢永吉の唄で、『背中越しのI Love You』ってのがあるけど、
僕にとっては、『背中越しの小山ゆう』ですよ!」
確かにジーンとくる最高なエピソードですね、うん。
ただミマタさん。
インタビューをスタートして
ボイスレコーダーのスイッチを入れた途端に
自分ことを“僕”、
そして俺のことを“アル君”って
呼び出しだしたのがちと気になります。
普段は俺のこと普通に“北郷”って呼び捨てにしてるのにな。
矢沢永吉さんを過剰に意識しているのが痛いほど伝わってくる滑り出しです。
「こないだ明治座に武田鉄矢さんの舞台を観に行って、
武田さんに挨拶したわけ。
で、
僕が帰ったあと、武田さん言ってたらしいからね。
“ミマタは顔がどんどんよくなってるなー、
あいつ自分じゃ気付いてないけど、
どんどんいい顔になってるぞ”って。
要するに簡単な話よ、
人間なんてこんなもんでしょ。
一個、本気になるもの見つけたらどんどん変わるわけ!
自分じゃ気づかないうちに
どんどん僕ステップあがっちゃってるわけ。
アル君、本気になるもの見つけてる?」
いきなり話題を変えるミマタさん。
そしていきなりこっちに話を向けてくるミマタさんが俺には怖い。
「だからある種、
自己改革なんですよ!」
まさか昼下がりのドトールで
アイデンティティの改革について語られるとは思ってませんでした、はい。
それと同時に一瞬自分が誰のインタビューをしてるのか、
さっぱりわからなくなってきました、はい。
「今年も去年と同じシアターサンモールで
8月2日から舞台『お~い!竜馬』をやるわけだけど、
僕の中では既に来年よ。
来年、新宿のどでかいシアターアプルの舞台に立ってるイメージが
もう出来てますから。
アル君、わかるこれ?イメージって大事よ」
「はい・・・」
「ところでアル君、
僕が最近電車で仕事行ってるのバカにしてない?」
またまたいきなり話が変わって怖いこと言い出しました。
全然バカにしてないし、そんなこと一言もいったことないのに。
「僕がシェビー(シボレーのこと)売って、ジャガー売って、
電車乗ってることバカにしてるでしょ」
確かにミマタさんは以前シボレー、
それにジャガーと免許もないのに車を所有していたことがあったんです。
今は売ってしまったらしいのですが・・・・
「実は日産が今度、
スカイラインGTーRを予約した客だけに受注生産するんですよ。
僕、それ予約するから」
「はー、でも受注生産とかって、
最初に頭金100万なり200万なりを入れないと
予約できないですよね、普通」
「そこは心配ないですよ、僕にはこれがありますから!」
そー言ってミマタさん。
『お~い!竜馬』のチラシをどーんと出しました。
な、何が言いたいんだろう?
ちょっと困惑してたら、
「このチラシで100万や200万はすぐですよ、
そんなもん簡単ですよ。
GT-Rの一台や二台、
これ見せればすぐに生産スタートですよ」
やっぱりこの人、狂ってます!
確かに小山ゆう先生に書いていただいた
このチラシは最高にステキです。
ステキですが、
それがGT-R買うときになんの効果があるのでしょうか?
担保になんかなるわけないじゃありませんか。
「カルロス・ゴーンならこのチラシの価値がわかりますよ、
あいつはある意味黒船ですから・・・
でしょ、アル君?」
おっしゃってる意味がさっぱりなんですが・・・・
「アル君、最近殿がまたタップ始めたらしいじゃない?
俺も体絞りますよ、近所の渡嘉敷ジムで!」
渡嘉敷ジムでって言った瞬間、
ファイティングポーズを取りだしたミマタさん。
ミマタさん、ここはドトールコーヒーですよ!
「去年の竜馬が終わったあとなんだけど・・・」
また話が去年に戻っちゃった。
なるべく同じ時期の話しはまとめてお願いします。
「去年舞台終わったら留守電が入ってるわけ。
電話の向こうでワンワン泣いてるんだよ。
“よかったー感動した、最高だったー”って泣いてるわけ」
「あー、知り合いの女の子が
舞台の凄さをわかって興奮して電話してきたんですか?」
「違いますよ、アル君。
声の主は浅草キッドの玉さん(玉袋筋太郎)ですよ。
女だったら即効抱きしめてやれるけど、
玉さんじゃさすがのミマタも無理でしょ、アル君。
そこでミマタ思ったわけ。
うまくいかないのがある意味人生ですよ。
矢沢にはマリアってステキなパートナーがいるけど、
僕にはどこ探しても見当たりませんよ。
こんなステキな男をほっとく今の日本の女の子って問題ですよ。
まー、ゆくゆくはその辺も僕が変えて行きますから。
僕、間違ったこと言ってます?」
間違ってると聞かれれば、
間違ってるのかな?どうなの・・・
「あと、水道橋博士に伝えておいてくれる?
ほら、博士の奥さんて美人で、
下にいる妹さん二人も美人じゃない。
その妹さんが去年観にこれなかったから、
今年は『お~い!竜馬』を観に来たいって言ってるらしいじゃない。
いい評判って早いから、それはある意味仕方ないことですけど・・・
でも、それはやめといた方がいい!
絶対に観に来させない方がいい!
なぜって・・・?決まってるでしょ。
観にきたら僕に惚れちゃうから!
さすがに博士の身内はこのミマタだって抱けませんよ。
でしょ、アル君?」
誰だって抱けませんよ!
どこの世界に
先輩の身内を性の対象として見る人がいるんですか。
おめでたいにも程がありますって。
「武田さんの舞台を観に行ったときなんだけど」
ミマタさん、
だからさっき武田さんが出てきたところで、
その話をしてくださると構成的に凄く助かるのですが・・・
「武田さんの舞台に
博多めんたいロックの重鎮にして伝説のバンド
『サンハウス』のドラマー浦田さんが出演されてるんですよ」
「確か武田さんが昔、
テレビでやった『幕末青春グラフティー坂本竜馬』」で
人斬り以蔵をやってた方ですよね?」
「ですよ。
僕の中で以蔵のイメージって浦田さんなわけ。
浦田さんのやった以蔵が最高なわけよ」
「はい、あのドラマは出演されてる方も、物語も最高でしたよね」
「最高ですよ!
そんなもん誰が観たって最高ですよ。
その浦田さんに挨拶したわけ。
もちろん浦田さんも僕がイカした舞台をやったのは噂で聞いてるから、
まず言われたのが、
“ミマタ君、今度ゆっくり話ししてーな”ですよ。
で、ミマタ言いましたよ。
“浦田さん、もしよろしかったら
是非今年の『お~い!竜馬』観にきてください”って。
そしたら浦田さんが言ってくれましたよ。
“バカやろう、俺を出せ!”って
もー最高ですよ、
高校の頃に憧れていた
あの『サンハウス』の浦田さんに“出せ!”てって言われたわけよ。
これわかる?
もちろん浦田さんもシャレで言ってくれるてるとは思いますよ。
でも最高じゃない、
シャレでもなんでも最高じゃない。
ミマタノックアウトされましたよ。
『サンハウス』の浦田さん万歳ですよ!
アル君も万歳でしょ」
(はい、万歳でお願いします。)
「あのーミマタさん。
かなりしゃべってますので今日のところはそろそろいいんじゃないですか・・」
「ノリタケさんに会ったわけ。
飲み屋で偶然とんねるずのノリタケさんに会ったわけ」
僕の言葉などまったく耳を傾けることもなく、
新しい話題に移行したようです。
「以前の僕なら緊張とかももちろんあるけど
なんか卑屈になってたわけ。
このミマタ、どっか媚びてたわけ。
そりゃーそーですよ。
とんねるずクラスの先輩前にしたら誰だって卑屈になりますよ。
どっか媚びますよ、
媚びてこそ人間でしょ、ねえアル君?」
なんとなく言いたいことは伝わってきます。
「前の僕なら卑屈になって媚びた会話をしてました。
でも、今回はそれがまったくないわけ。
媚びるどころか、
のびのびとノリタケさんと会話してるニューミマタがそこにいたわけ」
「なぜですかね?」
「簡単ですよ、
舞台『お~い!竜馬』やった自信がもう俺を媚びさせないわけよ。
アル君、早いよ。
この世界自信がついたら早いですよ」
「本当に早いですね」
「あっそうだ、
今長州力のものまねで頑張ってる長州小力君っているじゃない。
ちなみに長州力のものまねを
ゴールデンタイムで最初にやったのは僕ですよ」
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・
どーでもいいわ!
「彼、“キレてない!”なんてギャグで庶民を楽しませてるけど、
そこでアル君、これどうよ。
“媚びてなーい!”
流行るでしょ?これ来るでしょ?
やっぱりこの世界いろんな意味で早いわ」
「早いですか」
「で、次の日ですよ、
これも怖いと思いました。
昨日ノリタケさんと会ったと思ったら、
次の日はタカさんですよ、タカさんと会ったわけ。
偶然なんて言葉じゃ説明できいでしょ、
アル君説明出来る?」
いえいえ・・もちろんできません。
でも、
それを世間では“偶然”って言うんですよね・・・
「やっぱりその日も同じですよ。
タカさんの前でも全然媚びてないわけ。
アル君、ここよく聞いてね。
“媚びてなーい!”ですよ」
「はー・・・」
俺は心のなかで思いっきり叫びました。
ズバリ言って流行りませんよ!
「とにかく僕がのびのびと会話してましたよ。
タカさんもそんな僕の変化に気づいたんでしょう。
僕にこう聞いてきましたから。
“ミマタ、今おまえ、女優で誰を抱きたい?”って。
そーいう話題、
さらっとタカさんと出来ちゃうランクに
気付かないうちにのぼってたってことでしょ。
アル君は今ランクどのくらい?」
僕のランクはとりあえず置いときましょ・・・
とりあえず時間も時間なので
まとめる意味を込めました。
「ミマタさん、
今年の舞台も大成功するといいですね。
頑張ってください!」と切り出したら、
「アル君、
舞台は舞台で毎年しっかりやっていきますよ。
それはミマタ約束します」
「はい、お願いします」
「今年で舞台『お~い!竜馬・青春編』は最後なわけ。
来年からは、幕末編に突入しますから」
「どんどん『お~い!竜馬』は進化していくんですね」
「進化しますよ、
進化って裏切らないわけ。
アル君、進化って裏切らないわけ!」
なんで二回も言うのでしょうか・・・
“進化って裏切らない”
きっとそんなに深い意味はないと思います。
「アル君映画好きだよね?」
「好きですね」
「映画ですよ、次は映画で動きますから」
「えっ映画作るんですか?」
「最高なアイデアがあるわけ。
ミマタのこの頭の中に
最高な脚本がもー出来上がってるわけ。
このアイデアを形にしたら日本の映画界がほっときませんよ。
それにアル君、
よく考えたら映画の内容うんぬんより、
もー僕そのものが1つの映画じゃない?」
いよいよ気がふれてきたようです。
映画って。
またデカイ風呂敷ひろげたなー。
「アル君ダメだよ、今日は話せないよ。
どんな内容のアイデアかはここで言う気ないから」
やっぱり時間も時間なのと、
正直あんまり聞く気もないです。
ごめんなさい。
「パクられたら終わりでしょ。
生き馬の目を抜く
このショービジネスじゃパクられた方が負けでしょう。
“やられるかやるか”でしょ・・・」
ミマタさん。
それを言うなら、 “やるかやられるか”ですよ。
「とにかく30代最後の夏はいきますよ。
ガツンといきますから。
僕も来年で40ですよ。
まーでも、
僕の中ではまだやっと二十歳(ハタチ)なわけ。
ようやっと思春期から抜け出した青二才ですよ。
ねえアル君、僕って青二才?」
“僕って青二才?”って聞かれてもなー。
なぜかアラジンの
「俺ってバリバリかい?」を
ついを思い出してしまった俺もどうかしてます。
「よーするに、
エイジ・イズ・ジャスト・ア・ナンバー!ですよ。
歳なんて単なる記号でしかない!
そーいうことでしょ」
「アル君もラッキーだよね。
僕といれば食いっぱぐれないわけでしょ。
幸せ者じゃない」
とにかくインタビューを終わらせたかったので、
「はい、僕は幸せ者です」
ってことでなんとかインタビューを切り上げました。
とにかくインタビューを1分でも早く終わらせたかったので、
怒られることを覚悟しながら、
ボイスレコーダーのスイッチを清水の舞台から飛び降りる覚悟で
そっと勝手に切りました。
すると、一瞬ミマタさんの顔色が変わり、
やばい!
やっぱりまだ切り上げるのはやかったか・・・
って思ったら、
「北郷、俺いい感じでしゃべったんじゃないか?」
と
随分とやさしい口調ないつものミマタさんが
そこには座っていました・・・
ふー、、、やれやれ
しかし、
レコーダーのスイッチを切ったとたんに
“アル君”からいつもの“北郷”になり、
自分の事を“僕”からこれまたいつもの“俺”に戻るなんて、
ミマタさん、
ボイスレコーダーのスイッチがそのまま
矢沢モードのスイッチであり、
山ほど語った夢を実現するための
対世間への戦闘体制モードに自己改革するスイッチだったんですね。
レコーダーと自分のスイッチがシンクロしてる人
なんて少なくとも僕の周りではミマタさんだけです。
8月の舞台に向けて、
自信満々に抱負や展望を語ったミマタさん。
なぜだろう、
ミマタさんの口から具体的なプランや夢が語られれば語られるほど
心の中で突っ込みながらも
「そうだよ、そーですよ、そーこなくっちゃ!」
と
少しワクワクし興奮しているもう一人の俺がそこには確実いた。
夢を見ることが困難なこの時代に、
これだけ新しき夢を惜しげもなく語るミマタさんに
いつしか俺も酔っていたのかもしれない。
いや、
忘れていた何かを
忘れていた熱い何かを
ミマタさんから感じてしまったのかもしれない・・・
そうだ!
俺だって、
俺だってミマタさんに比べればちっぽけかもしれないだけど
夢は見ている男なんだ。
軽い気持ちではじめたこのミマタブログのインタビューが、
中野新橋の喫茶『ぶるまん』が休みなため
仕方なく『ドトールコーヒー』のはしっこで始めたこのインタビューが、
夢を見ることの素晴らしさを
俺に改めて教えてくれるなんて、
ちくしょー!
ミマタさん、
いい意味で約束が違うじゃないですか!
そして俺は思い出していた。
この気持ち、この感情の高まり、
どっかで俺は味わっているはずだ。
あっ、
そうだ。 『ロッキー』だ。
17歳の時にテレビ東京のお昼のロードショーで
初めて『ロッキー』を観たあとの熱い気持ちじゃないか。
やられた!
平成の竜馬きどりの
目の前の坊主頭の来年で40になるこの男に
俺は見事に心臓をつかまれた!
よーし俺は決めた!
今はまだちょっとポンコツで、
水漏れなんかもある小さなこの船に
このミマタ船に、
夢を見る男ミマタタダヒサ39歳に俺も乗った!
いつの日か、大きな黒船に変わるまで
夢という名の大海原を、俺も一緒に漂いつづけてやる。
ミマタさん。俺乗りましからね
最後まで見届けますからね
そんな覚悟を心に強く抱き、
帰り支度を始めている俺に
「北郷、
ちょっと歩いたところに旨いいちごパフェを出す喫茶店があんだよ。
そこでパフェでも食ったら
俺んちで朝までファミスタでもやるか。
俺が巨人でお前楽天な。
甘いもん食ってゲームやって。
今日は最高だろ。
フフフフフ・・・
お前はほんと幸せもんだな~
アーユーハッピー?アッハ~ン 」
やっぱりこの船、下りようかな?
ダメだ、もう沖は遙か彼方だよ・・・
えーい、いったん決めたんだ。どうとでもなれって!
はじまったばかりのこの大航海。
行く手には、一体何がまっているのだろうか。
(インタビュー&構成:アル北郷 編集長:どっこいサブ)
劇団『マッチョドラゴン』
三又忠久旗揚げ公演
「お~い!竜馬【青春編】」
新宿シアターサンモール
2006年8月2日<水>~7日<月>
料金:前売り5500円 当日6000円(全席指定・税込み)
お問い合わせ:劇団マッチョドラゴン制作部03-3774-8655
有限会社マジックファクトリー03-3778-7566
チケットぴあ(Pコード:370-308)
0570-02-9999(音声認識・Pコード予約)
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