アル北郷のオールナイトニッポン
深夜0時少し前、
ミマタさんから電話があり、
「今日はあんまり話す気分じゃないから、また今度にするか、ブログ・・・」
「僕はいいですけど、
ブログのアップは明日ですから今日やっとかないと
マズいんじゃないですか」
「よし!じゃー今からやるか、すぐにこっち来れるか?」
結局、雨の中、
ミマタ邸へとえっちらおっちら向かいます。
「とりあえずラーメン食ってからやるか!」
で、
雨の中、男二人で新中野の家系ラーメン『武蔵家』へ
トボトボと歩き、日付も変わってラーメンをすすります。
ミマタ邸に戻り、
世間話をポロポロとしながら
さあ、そろそろブログのインタビューでも行きますか!
・・・とノートを広げた瞬間に
「お~い北郷、お腹一杯でなんだか眠くなってきたから
アレやるか」
「アレってなんですか?」
「バカヤロウ、決まってるだろう!
こんな夜には
ミマタ放送局のオールナイトニッポンだよ!」
「へ・・・? オールナイトニッポン?」
「お前がDJになって、
俺が眠るまで面白マシンガントークをするんだよ、楽しいぞ~」
なんだそらぁ!
・・・が、
何度かその噂は耳にしたことがあるぞ。
なんでも、
ミマタ邸にて夜な夜な行われているという
悪名高いミマタ放送局のオールナイトニッポン。
どうでもいいけどこの人、今日もブログについて話す気ね~な・・・
「よし、お前がDJだ。
殿みたいに面白トークで俺を笑かせな」
唐突に身の毛もよだつオールナイトニッポンごっこが
始まりそうです。
・・・・・・。
ズバリ言って、絶対にやりたくない!
なんでブログのインタビューに来て、
いきなりラジオのDJやんなきゃいけないのよ。
しかもなんだ、その“ミマタ放送局”ってのは?
どこに向かって放送してんのよ。
どこの誰が受信してんのよ。
さっぱり意味がわかんねーって。
「ちなみに北郷で4代目のDJだからな」
えっ、俺は4代目だったの?
「お前ラッキーだな、なかなかなれないぞ~」
そうなの?
「初代DJはユリオカ超特Qだったんだぞ」
「ユリオカさんですか」
「そうだよ。
あいつなんて初回の放送でいきなり12時から朝6時まで
しゃべりまくってさ、なかなかポテンシャル高かったぞ~。
そうだ、そん時だよ。あの藤波辰爾のモノマネが生まれたのは!」
6時間しゃべったのか、ユリオカさん。
狂ってる!
しかし、6時間ってすごいな~。
・・・って関心してる場合か!
「二代目DJはワンダラーズの土井でよ。
アイツもなかなかいいDJだったな~。
ちなみに、ミマタ放送局でDJやりだしたら、
ドラマ版『電車男』の出演が決まってよ。
羽ばたいて行ったんだよ」
そうなの?
確かにドラマ版の『電車男』に出てたけど
それとこれとなんも関係でしょうに・・・。
「3代目DJは東京ペールワンのユンボ安藤だよ。
アイツもミマタ放送局で何度かDJやりだしたら、
仲間の長州小力がブレイクしたりして、
西口プロレスが潤い出したんだよな」
そうなの?
確かに今の西口は勢いあるし、潤ってますが・・・
ミマタさんとは何の関係もないように思えるのは俺だけでしょうか。
「いいか北郷、ミマタ放送局のオールナイトニッポンのDJなんて
簡単になれるもんじゃないんだぞ、お前それ、わかってるか?
どれだけラッキーか、わかってるか?」
は~。
正直全然ピンときてないのが事実なのですが・・・
「こないだお宮の松にチャンスやったんだよ。
まだちょっと早いかな、なんて思ったけど、
思い切って、お宮にチャンスあげてみたんだよ」
「4代目DJにチャレンジさせたんですか?」
「そうだよ・・。
そしたらアイツ、話が長いばっかりで全然ダメでさ~。
オチのない話をダラダラしてさ~。
初回放送を待たずに打ち切り決定ですよ」
「それは大変でしたね」
自分で言っててあれですが、
何も大変じゃねーわ!
「お宮の松はオールナイトの二部に格下げしといたから」
二部もあんのか!
ヘンなところ細かいんだよな、ミマタさんって。
「よ~し北郷、ちょっと早いけどやってみるか。
ミマタ放送局のオールナイトニッポン4代目DJにアタックしてみるか。
ウホホホホ。
さ~て出来るかな~・・・」
なにが、“さ~て出来るかな~”だよ!
何度も言うけど、
さっきから得意気に語ってるミマタ放送局って何よ!
そんな放送局がどこにあんのよ!
なにがオールナイトニッポンだよ!
ただの退屈しのぎに
後輩をしゃべらせてるだけじゃん!
しかも、ラジオ形式って!
ハードルあがってしゃべりにくいっての!
こっちにとって何一ついいことないじゃんか。
参ったな・・・・
「北郷が4代目DJにふさわしいか楽しみだな」
全然楽しくないわ!
「放送始まったら俺は一切しゃべらないからな。
本当にお前だけのしゃべりでドンドン行けよ」
ホントにやんの?
「あっそうだ!
このCDラジカセ使っていいからよ。
ちゃんとしゃべりの合間に曲もかけろよな」
アーーッ、めんどくせー!
しかもCD少ないわ。
「俺からのアドバイスをひとつ教えるとな・・・。
俺に向かってしゃべるな、リスナーに向かってしゃべれ!」
リスナーって!
だから誰も受信してねーだろ!
あなたに向かってしゃべるしかねーでしょうに!
で、
ホントに俺、DJやんなきゃいけないの?
夜中に何が悲しくてこんなことしなくちゃいけないのよ・・・
「よし、じゃー高らかに宣言しろ。
『アル北郷のオールナイトニッポン!』って宣言してから行け~」
恥ずかしいな~。
でもこれやらないと帰れそうにないぞ。
深夜1時を少し回り、
俺は高らかに宣言しました。
「アル北郷のオールナイトニッポン!」
「さー今日から始まりました、アル北郷のオールナイトニッポン。
ドンドン行っちゃいますよ~。
まー最近はあれですね・・・」
「北郷、ストップストップ!
ダメだよ。ちゃんと、
♪~チャラッチャ、チャッチャララチャチャラ、
チャッチャラチャチャチャって
ビタースイートサンバを口ずさまなきゃ気分出ないだろうが!」
あーあーあー、
めんどくせー!
「あとオープニングトーク終わったらアレ話せよ。
俺の舞台『お~い!竜馬』を観てきた感想の話を
面白おかしくすればいいんじゃないか」
めちゃくちゃ口出してるじゃんか!
せめて好きにしゃべらせてくださいよ!
「っというわけで、
こないだミマタさんがプロデュースする舞台『お~い!竜馬』を
観てきたんだけど、
よかったよ~、いいね~、あの舞台は。
何がいいって中岡慎太郎役の宮川大輔さんが光ってたね~。
勝海舟役のそのまんま東さんもよかった。
それに比べて主役の竜馬役のミマタさんが下手でさ~。
こっちが恥ずかしくて観てらんなかったよ~・・・」
「オイ、この野郎、ちょっと待て!
なんだそれ、そんな言い草ねーだろ。
アル北郷のオールナイトニッポンは、
のっけからプロデューサー批判か!?
干してやろうか、このミマタ放送局から干してやろうか、この野郎!
大体、俺が下手ってどういうことだ、いい加減にしろよ!」
「ミマタさん、オチじゃないですか。
3人目でオチじゃないですか。
ホントに下手だなんて思ってませんよ。
なにをムキになってるんですか」
「そうか・・・。
だったらいいけど、リスナーが本気にしたら怖いだろうに」
だから、リスナーなんていねーっての!
あなただけでしょ、このラジオ聞いてるのは!
「あとお前、放送中なんだから、ミマタさんってのやめろ。
ダメだぞ!
なにがあっても放送中ってのを忘れるな!」
だったら、ちょくちょく入ってくるな!
「最後にアドバイスな。
北郷、親と電話がつながってるってのはよくねーか?」
「はいっ?」
「お前、今から親と電話して生放送で会話するんだよ。
面白いぞ、盛り上がるぞ、よし、それで行こう!
ちゃんと電話をスピーカーにしてやれよ」
今から親に電話すんの?
マジで~・・・
ミマタさん言い出したら聞かないからな~
めんどくせ~
なぜか夜中に母シメコに電話してる俺。
「あっお母さん、夜中にごめんね。
今、ラジオの生放送中なんだけど、ちょっといい?
こないだ、『アル北郷のおしゃべりな夜』来てくれたじゃん。
どうだった、面白かった?」
「よかったわよ~。
今回はいつにも増して面白かったわ。
じゅん君は才能あるわよ」
・・・俺、本名は“じゅん”って言うんです。
ってかミマタさんに言われるまま、ホントに電話してる!
俺も俺だわ・・・情けない。
俺たち親子の会話を
横で聞きながらニヤニヤするミマタさん。
すいません。
ホンットにぶん殴りたくなってきました!
それからかれこれ、
1時間近くとりとめもなくしゃべる俺。
「さー今日はアル北郷の今まで最高に刺激的だったな
SEXベストスリー行ってみよう!」
「さー次ははがきのコーナーです。
えーっと、ペンネームはアリの門渡りさんです。
アルさんこんばんは!
いつも楽しく聞いてます。
どころでアルさんは普段は外食ですか、それとも自炊ですか?」
ミマタさんが寝るまで死ぬほどどうでもいい一人しゃべりを
必死にする俺。
あ~あ~あ~
とにかく早く寝てくんね~かな~・・・・
これ、やっかいなのは
これから何度もやらされるぞ。
仕事で忙しくなって、
なるべくミマタさんと会う機会を減らさないと大変なことになるぞ。
今年の冬は嫌な冬になりそうだ・・・・
ウトウトしだしたミマタさんを確認して、
そーっと帰ろうとしたら
寝言で何やら言ってるし・・・
「北郷そろそろ曲いけ~。ムニャムニャ・・・
4代目DJになれてよかったな~。
お前は幸せ者だな~。
アーユーハッピー?」
腹立つなー。
ミマタさんこのままずーっと目さまないでくれないかな・・・・
(インタビュー&構成:アル北郷 編集長:どっこいサブ)