2007年01月16日
怖い女王様
室井佑月こと女王様は世間から“恋愛の教祖”と呼ばれているらしい。
確かに恋愛や女性の生き方についての取材も多い。
だが私が秘書になって半年ほどは女王様の周辺に男の影が一向に現れなかった。そして半年がすぎた頃、遂にニュー・ボーイフレンドができた。女王様は楽しそうだった。
それから3カ月が経過した頃、このボーイフレンドからプロポーズされた。それを某テレビ番組で嬉しそうに喋っていた。さらにプロポーズ話はスポーツ紙にまで書かれた。
それから1カ月ーー。
ある週刊誌からこんな依頼がきた。
「恋人からプロポーズされたと聞いたのですが、入籍はもうされたのでしょうか。私どもの雑誌の『結婚欄』にぜひ登場願いたいのですが」
私は思わず苦笑しながら答えた。
「‥‥その話は古い。もうとっくに別れました」
週刊誌記者も一瞬絶句したが、こう続けた。
「知らなくて、申し訳ありませんでした。でも、なぜですか?」
「よく考えたらそんなに好きでもなかったといってました。あの人のことは仕事以外ではよくわかりません」
そしてそれ以降、次の男はまだできていない。
女王様はそのフラストレーションからか時々、叫ぶ。
「どうしてよ、こんなにキレイで可愛い私になぜ恋人がいないの。おかしいことだ」
「怖いからじゃない」
「なにを根拠に」
「私の周囲の男はみんなそう言ってる」
「誰? 具体的に名前をいってみろ。フルネームで。職業は? 会社はどこよ? 役職は?」
「‥‥やばいことになるからいえない」
ようやく諦めたのか、女王様はしばらく物思いにふけっていた。鏡で自分の顔を眺めながら。
「きっとヘアスタイルのせいだね。うん、男はやっぱりショートが嫌いなんだよなぁ」
人の話を聞けよ。
お前に男がいつかないのは、怖いからだ。絶対だ。