2007年05月29日
ヘンな女
数年前、新宿3丁目ですごいものを見てしまった。
夕方の4時。びしっとしたスーツを着た女性が歩いていた。どこぞの一流企業に勤めているような女性、たぶん20代後半のいかにも仕事の出来そうな雰囲気。
しかし、その女性は片手にたばこ、そしてもう片方の手にはワンカップ大関を持っていた。歩きながらワンカップを呷り、たばこをふかす。
しかも周囲の目も気にせずに、大またで新宿を闊歩していた。
思わず立ち止まってしばらく彼女の行方を追ってしまった。
1年前、京王線のとある駅ですごいものを見てしまった。
深夜12時過ぎ、ホームを千鳥足であるく20代の女性。ちょっとギャルっぽい。
そのギャルは相当に酒に酔っている様子。そしてなにかブツブツとつぶやいている。
「ちくしょー。ちくしょー。なんでアタシばっかり―ーこんな目に‥‥ブツブツ」
何度も繰り返しつぶやいている。
私は彼女に話しかけたい衝動に駆られた。
<何がそんなに辛いの? 男に振られたの? 一緒に酒でも飲む?>
こんな風に話かけようかと思ったが、それもそれでヘンなのでグッと衝動を抑えた。
2週間前。夜8時、家の近くを歩いていると、向こうからはたまた千鳥足の女性が歩いてきた。ロングヘアの真面目そうな女の子だ。でもフラフラとほとんど前を見てはいない。
<あっ>
そう思った途端、ロングヘアの女性は電信柱に激突した。たまたま通りかかった男性が驚いて「大丈夫ですか?」と彼女を助け上げた。
ロングヘアの女性は「エヘへ。すみゅません。へへ」と照れ笑いしながら、また1人で歩き出した。
この3つの目撃談はともに5月。やっぱりこの季節は「ヘンな奴」が多い。でも私が目撃したのはなぜかみな女性ばかり。しかも酒絡み。
そしてーー。
ある日、事務所に出勤したら女王様が怒っていた。
目の前には宅配ピザの空き箱が置いてある。サイドメニューのサラダとチキンno
残骸も。
「誰がピザなんか取ったの!? あたしの知らないところで」
「‥‥憶えてないの?」
「意味わかんない」
「昨日の夕方、自分で注文して、ビール飲みながらムシャムシャ食べてたよ」
「誰が」
「室井が」
「‥‥」
ここでもヘンな女が。
ここまで書いていたら女王様が私のパソコンを覗き込んで叫んだ。
「何書いてんの! 酒飲んで、ヘンなことをするのはカンバでしょ。この前の飲み会でも、私の友達を並べて『誰が一番バカか』選手権したり、男友達に『最近セックスしてる? してない。ほらね、ユウタ、ちゃんと勉強しないと、いい交尾できないんだからね』なんて説教してたろ! お前が一番ヘンだ」
あっ、そうでした。そうでした。