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家庭的な女王様と私の杞憂


 鼻歌を歌いながら女王様が台所に立っている。お題はどうやらパフィーの「アジアの純情」。昨日は引退報道のあった華原朋美だったから、今日はどんな意味があるのだろう。
 ここ最近の女王様は不気味なくらい家庭的だ。
 本日の夕食の献立は筑前煮とカレイの煮付け、そしてお刺身に山菜のお味噌汁。
 まさに家庭料理だな。
 午後2時なのに、煮付けのいい匂いが事務所に漂っている。
「でもさ、ユウタと2人だけで食べてると、だんだん飽きてきてやる気がなくなってくる。だからタッパに詰めてやるからカンバの家の夕食にして。ダンナにも食べさせてね♥ ちゃんと感想を聞いてきてよ!」
 ありがとうございます。


 でもなんだか不安になってくる。確かに女王様は育ち盛りの一児の母だから、夕食を作るのは当たり前なのかもしれないけど、以前と比べ仕事以外での外出が激減している。時間がある時は友人(もち女)を自宅に呼んで夕食を振舞うくらい。
 いや料理だけではない。夕食が終わるといそいそと手芸やシルクフラワー作りなんぞをしている。しかも酷い時は徹夜までして手芸をやってるらしい。
「そういえば食えない頃、手芸関係の内職をやっていて、異常に上手だし早いっていわれてたのさ。どうだすごいだろ」 
 こんな自慢話まで飛び出すのだが、私は作家・室井佑月の秘書として思う。<こんなことで小説が本当に書けるのだろうか>と。
「今夏はテレビや講演の仕事をなるべく抑えて、長編小説に集中する」と、女王様は私や編集者やマネージャーに宣言した。
「今度の作品は室井佑月の代表作になるようなものになる。力作だよ!」
 こんな言葉を今年のはじめから何度も繰り返す女王様。
 しかし、たぶん、ほとんど、まだ、書いていない。
 そして手芸や料理は「書けない」いや「書きたくない」ための自己逃避なんだと思う。
<シルクフラワーなんかしてないで原稿を書け!>
 私は心の中で叫ぶが、口には出せない。
 女王様が手芸をしている後姿を見ていると”詰まってる感”が漂い、なんだかもの悲しくなってくるから。
 内職をしているお母さんのようでもあるし。

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自己逃避 【 takap から】2007年07月06日 10:20
カンバ秘書に あげ足を取るようでなんですが・・・。パフィー「アジアの純情」それは

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