2007年11月16日
ホーチミン秋の陣
ベトナムに行く前にこのブログを更新するつもりだったが、旅行直前の大ドタバタ事件で予定が狂った。
それ以前から女王様の体調はあまりすぐれなかった。旅行などに行く前はスケジュールもかなりきつくなり寝不足も続くから。今回も出発の前前日から鼻水が止まらなくなった女王様。原稿の確認をしながらくしゃみをして、原稿に鼻水が飛ぶ。
「あっ、くっついちゃった」
「うへ、汚ったないなぁ。それファックスしなくちゃならないんだ。触りたくない」
「何言ってんの。社長の鼻水なんだから汚くない。舐めるくらいにありがたく思え」
「アホ」
まだ冗談を言う余裕があった。
しかし翌日朝、女王様が出演している「スーパーモーニング」を見たら明らかに様子がおかしい。顔色は悪いし、あまり喋らない。しかもこのテレ朝の後は大阪のレギュラー番組主演のため、新幹線に乗る予定だ。
ほどなくマネージャーのA氏から電話が掛かってきた。
「熱も出ていて、咳が止まらない。喉も痛いようなので、病院を探したがどこも1時間以上待たないと診察してくれない。仕方ないので予定通り大阪に行って病院を探す予定」
おいおい、大丈夫か。
それから数時間後再びマネージャーA氏からの電話。
「今大阪の病院で点滴を打っている。インフルエンザの可能性もあるので検査して、1時間後には判明する。でもインフルエンザだったら明日の旅行はキャンセルするしかないですよね」
かなり深刻な口調だ。
ヴェーー!! マジ? インフルエンザだったら私もうつってるかも。だって昨日、女王様の鼻水を触ったかもしれないから。しかももうキャンセルきかないから全額戻ってこない。
私は女王様の体調より、自分とカネのことで頭が一杯になった。それでも各方面に万が一のための連絡をする。そしてさらにマネージャーA氏から電話。
「インフルンザではなかった。でも悪い菌が入っているらしいから、安静にしていた方がいいことはいい、と医者も言ってましたよ」
おう、どうする。そこに女王様本人から電話が入った。
「大丈夫?」
「汗かいたらずいぶんよくなった」
「旅行はいけるの? A氏は慎重にした方が言いといっていた」
「何いってんの。行くに決まってるでしょ」
そんなこんなで成田に到着。しかし女王様の体調はあまりよくはない。熱もある。
でも喧嘩だ。
「ねえ、ガイドブック持ってきたでしょ?」
「えっ? だって事務所になかったから室井が持っているとばかり思ってた」
「はぁ? カンバは昨日『任せとけ』って言ってたよね」
「いや、パスポートやチケットは任せとけといったけど、ガイドブックに関しては言ってない」
「嘘つき! 絶対言っていた。なんでカンバはいつもそうなの。ベトナムいってもどこにも行けない。どうしてくれる! #%*@&!!!」
激高しながら目を吊り上げんばかりに怒鳴るので、周りの人が皆室井を注視する。もう、うんざりだ。嫌になってきた。
「分かった、悪かった。でもガイドブックはここでも買えるからそんなに怒らなくてもいいだろ。ほらみんな何事かと見てるよ。お前は顔を知られてるんだから」
「そんなの関係ない! でも早く買ってきてよガイドブック。自腹でね」
マジで殺したくなってきた。でも体調が悪いのだからと我慢した。
そして何とかホーチミンのホテルに到着。嵐は再び襲ってきた。
ロビーでガイドさんからいろいろと説明を受けながら、少々の不安を感じていた。
<もし、最終日まで体調が戻らなかったら、ホテルをチェックアウトしてから飛行機の時間まで9時間以上ある。どうしよう>
そこでガイドさんに聞いた。最終日にホテルのチェックアウト時間を延ばすことは可能か。もし可能なら金額はいくらなのか、と。
するとそれを遮り部屋へ突進する女王様。部屋に入るなり怒鳴った。
「私のカードなんだから、そんなこと聞かないで」
意味がわからない。でもよくよく聞いてみると、以前同様なことでボラれたことがあるという。
「でも、もし具合悪かったら、どこにも横になれないよ。お前のために聞いてやったのに! しかも高級ホテルなんだから大丈夫だろ。なに田舎ものみたいなこと言ってんの」
「うるさい。顔も見たくない。それに具合が悪いから早く部屋に入りたかったのに!」
横で女王様の息子・ユウタも「ママの言ってることわかんない」と困惑顔。
まあ、酒でも飲んで寝てしまおう! とそれでも2人で2時間以上飲んでしまった。
そして翌日。少々体調が戻ってきた女王様。
「私も悪いところはあった。具合悪くて誰かに当たりたかったんだもん」
はあ~、ため息が出る。
さらに翌日はかなり体調がよくなったらしく、張り切ってクチトンネルツアーへ。
その翌日は戦争証跡博物館などの歴史ツアー、翌々日は楽しくメコン川へとようやく楽しい旅行になっていった私たち。
「悪い菌に打ち勝った!」などと上機嫌な女王様。よかった、よかった、と思いきやーー最終日の夕食。
「せっかくだからワインでも頼もう」
そういってレストランで食事を始めたのはいいが、酒が回るにつれ、雲行きが怪しくなてきた。きっかけは覚えていない。しかし女王様は私の何らかの言葉に反応したのだと思う。
「いっつも思うけど、カンバって恩着せがましいんだよ。自分が何かをしてやった、っていうことばっかりで感謝がない」
「何言ってんの。恩着せがましいのはそっちの方だろ」
ウンたらカンたらと20分ほどの喧嘩になった。
まあ要するに、お互い感謝されたり褒められたりするのが好きなのに、その態度が双方にないので、お互いに譲らないで喧嘩になったってことか? 今でもホーチミン最後の喧嘩の要旨は私にはわからない。
でもこれだけはよーく憶えている。最後にユウタが言った一言だ。
「2人とも酔っ払ってるからだめだよ。ママは怒りすぎ、カンバは人の話を聞かなすぎ」
7歳児の冷静なジャッジに恐れ入ったベトナム旅行であった。