2008年03月10日
「激愛」
最近の室井事務所の流行は長淵剛だ。
先週、女王様たちとカラオケに行った。女王様はなぜか酔うと長渕に固執した。これまは、右翼的なイメージの強いナガブチは「嫌い」といっていたのに、どういう気の変化だ。
いや、ほんとうは嫌いで嫌いで好きなのかもしれないと疑っていた。だって、すい臓の腫瘍を取る手術のとき全身麻酔をかけられて、意識不明の中、ナガブチの「とんぼ」を大声で歌ったらしい(看護婦談)。恥ずかしい。
「若い頃はダサいと思ってたけどさ。年をとらないとわからないね、ナガブチの良さは。ナガブチの歌は地方出身者の心のよりどころだ」
そして「激愛」を歌い始めた。なんでも今月の事務所のテーマ曲だという。
「ねぇ、これってどういう歌だと思う?」と女王様。
「激しいエッチの歌」と私。
「馬鹿こけ! これはすっごく愛し合った男女が、盛り上がっているピークは超えて、この先この気持ちのままでいたいなら死ぬしかないね、という切ない歌なんだ。んで、最後にくんずほぐれずのセックスしよう、みたいな」
女王様が熱く語る。ワイドショーでも、このくらい熱くコメントすればいいものを。いつも眠そうだし、不機嫌そうだし。
「へぇ」と私。どうでもいい。ユウタが口を挟んでくる。
「エッチってなに? おっぱいを揉むこと? セックスって裸の女?」
女王様は真剣に説明をはじめる。ナガブチになりきり、ちょっと巻き舌で。
「オッパイも揉むだろうね。急所だからさ。セックスとは、魂と魂のぶつかり合い。恋愛は心の侵略試合だけど、セックスとは殴り合いのようなもの。でも、良い試合は、その後、深い心の交流ができるんだ。この間、ガッツ石松のタイトルマッチのビデオ観せたろ」
ユウタは神妙な顔で、頷きながら話を聞いている。いいのか、それで。教育に悪いし、気持ちも悪い、この親子。
そして、なにか好きな曲を歌ったら、その次には「激愛」を歌うというルールが定められた。
しかも、感情がこもっていないとダメだしされ、はじめから歌わなきゃならない。すごいことになってきた。
七歳のユウタが感情たっぷりに、
「よじれあい、重なる」だとか、「俺を抱け!」だとか熱唱する。いいのか、それで?
まぁ、いいか。私の子供じゃないし。
大体、上手いか下手とかじゃあなく、どれだけ芝居っ気たっぷりに歌えるかを競うってどうなの?
しかも、土日をはさんで事務所に顔を出さなかったら、”長渕”カラオケメンバーが増えていた。近所の室井の友達ね。ってことは土日も歌ってたのか。
歌うのはナガブチ。そして、「激愛」。いつまでこのブームは続くのだろう。
とりあえず、私もナガブチのアルバムCDを買ってしまった。最後の部分のタメが肝心なんだよね。