2007年01月15日
あの女の破壊的失敗談
1月14日 記
あたしは今、神戸にいます。
トークショーにお呼ばれし、本番の待ち時間に書いてるの。
徳光さんの『The・サンデー』が終わった後、ちょっと早めの昼ご飯を取って、新幹線に乗った。
あたしってば遅刻魔だから、自宅に戻らずテレビ局からそのまま神戸へ、というマネージャー判断らしい。
それにしても神戸についたのが2時半、トークショーが7時。
4時間半もある。この原稿を書いたら、その後、なにしよ。
マネージャーの阿部くんはいいな。
控え室を行ったり来たり、忙しそうだ。
たぶん、昼に食った激辛ラーメンのおかげで腹を下しているんだろう。
あたしは辛さ20倍、阿部くんは辛さ5倍の味噌ラーメンを食った。
普段なら、お腹の弱い阿部くんのこと気の毒なやつだと思うけど、こうも暇だと、することがあって羨ましい存在に見えてくるから不思議。
あたしは阿部くんにそういった。
青白い顔で「なにいってんですか」というか細い声が返ってきた。
「で、どんな状態なの」
「は?」
「ウンコよ、ウンコ」
阿部くんはそれには答えず、またトイレにいってしまった。
チッ、教えてくれてもいいじゃんね。暇なんだから。
息子のユータは訊いてもないのに、毎回、毎回、教えてくれんぞ。
「ピンポン球みてーなのが、ごんって」、てな具合に。
ごん、というのは便器にぶつかった音なんだね。固かったんだね。リアルだよ。
こんな男に流し忘れの一品を見られた日には、大事件、死にたくなるほどの屈辱を受けてしまう。
そのポカをしたのは秘書の神林だ。
うちのトイレは自動洗浄なんだけど、その装置が壊れたの。そのことは伝えてあったはずなのに、やつめ、洗浄ボタンを押さなかったみたいで。
息子は事務所に来る客来る客、みなに報告を欠かさないのであった。
しかも、さすがにあたしの息子だね。サービス精神旺盛で、話すたびに大げさになってゆく。
「ライナスのに似ていた(愛犬のラブラドール)」から、「水牛のような」に変わり、今では地球上でももっとも大きな動物のそれ「アフリカ象のような」にまでなった。
もちろん、細部の説明も忘れない。
「重なって三本あった。中の一本は先っちょが尖っていた。色は焦げ茶」
……こんなことを書いて、神林に怒られるだろうか。
でもさ、なにあの一発目のブログ。
日焼け止めクリームと、日焼け止め専用クレンジングと間違った?
どうせ自分の失敗を書くなら、このくらい破壊力のある失敗談を書けよ。なにを可愛子ぶっておる。そういうキャラか。もっとあるだろ、おまえにはざくざ くと。
ま、日焼け止めクリームと日焼け止め専用クレンジングと間違ったのも、普通に考えりゃすごいことではあるか。
言葉がわからず、外国製品を買って間違ったんじゃないもの。日本製品で、商品の裏側に日本語で説明の書いてあるものを買って間違えたんだもの。どんだ け緩い女なんだか。
あー、こんなにいったら殴られる。殴られてまう。それはイヤだから少し誉めとくかな。
プールで泳ぐ神林はカッコ良かった。
長い手足で水をかき分け、ぐんぐん進んでいく。
完璧なフォームでクロールだ。オリンピック選手のように速い。
青いプール、彼女の身体から発する白い水しぶきが綺麗だなぁ。
……白い水しぶき。ありゃ、日焼け止めクレンジングの泡だったんかい。
新聞連載などでいつも誰かの悩み相談に乗っているあたしだが、ほんとうに悩みが多いのはあたしである。知らないことも多いしな。なにしろ、ホステスと作家しか長続きした仕事はないから、世の中のことちっともわかってないのよ。これから先、悩みがあったときはその都度ここに書いていくので、それに関して答えをいただけたら嬉しい。親切な方、よろしく。
【悩み相談1】
ある番組に出させてもらっている。視聴者のターゲットを主婦に絞ったお昼の情報番組だ。普段は料理や掃除についてやっているのだが、去年の年末、主婦にもわかる北朝鮮問題というのをやった。
『北朝鮮はもともと韓国とおなじ国だった』というところから説明が入った。というか、すべてその程度の話だった。
「北朝鮮と韓国がもとはおなじ国だったなんて、トマトは赤いというような今や誰でも知ってる話じゃないですか。主婦を馬鹿にしてる」
番組が終わってからの反省会で、あまりにも主婦を舐めているのではと思いそういった(番組を作っているのはあたしよりちょっとだけ若い男)。
すると、司会者が(あたしよりちょっと若い男)「でも、トマトが赤いと知らない主婦も多いですから」と笑いながら答えた。
あたしのまわりでは、北朝鮮と韓国がもとはおなじ国だったことを知らない女はいない。それどころか、最近の北朝鮮の動向の意味だってきちんと話せる者の方が多い。主婦だからって、掃除や料理のことしか興味がないわけじゃない。
あたしがいっていることが正しいのだと思うけど……。これから先、どのようにして主婦を馬鹿にする男たちを説得していったらいいんだと思う?
なるべく角が立たないように、なるべく穏便に。最近の若い男はプライドだけは高いから。