2007年02月05日
我ながら鬱陶しい
2月5日 記
今日は久しぶりのお休みだ。
七時起きで、ビーフシチュー用のスネ肉を煮込んでいる。
前から息子に「作って」と頼まれていたのだけれど、忙しくてなかなか実現出来なかった。
ビーフシチューは固いスネ肉を使ったほうが美味しくできる。固いすね肉をトロットロになるまで煮込むほうが。
ひょっとして、柔らかい肉を買ってきて、それで代用すればいい話だったのかもしれない。
でも、あたしの頭はスネ肉より固いときてる。
ビーフシチューはスネ肉がいちばん。そう思ったらそれ以外は考えられない。
息子もあたしのこういうところに疲れ、そのうちあたしの元からいなくなってしまうのだろうか。
たぶん、当たっている。
やつは物心つくなり、あたしのことを鬱陶しいといいはじめるだろう。
しかし、やつにいわれて性格を変えられるようなあたしではない。
そんな簡単に変えられるものならば、もうとっくに変わっている。女としてもっと幸せになっていたように思う。
時間に余裕があると、ついこんなことばかり考えてしまう。考えても仕方ない無意味なことを。けど、あたしはそれが嫌いじゃない。
それが嫌いだったら、物書きになんてならない。
とにかく、息子は早いうちに家を出て行くだろうと予想しているので、一緒にいられる時間はできるだけ楽しいものにしたいなぁ、なんてことを日々考えている。
昨日は午前中に仕事を終わらせ、上野動物園にいった。
上野動物園というのは息子の提案だったけど、あたしも久しぶりにちょっといってみたかった。
自分のいきたいとこにいかねば、子供と一緒に心から楽しめそうもない。
金を出してやるんだから、口を出してもいいだろう。そういう主張をいちいちするところも、あたしの鬱陶しさに違いない。
パンダにライオンにゴリラにゾウ……一通り動物園を巡って、猿山にふたたび戻った。
猿山って人間社会のミニチュア版のよう。長いこと眺めていても、ぜんぜん飽きない。
息子と二人、ソフトクリームを舐めながらぼけっと猿山を見ていた。
子供を抱いている母親猿を指さし、ふいに息子がいった。
「ママ、あの猿のお尻、なんか変」
母親猿のお尻は、悲惨な状態だった。毛が抜け、真っ赤に爛れ、皮膚の上に毒々しい青い血管が浮きでている。
あたしは息子に教えた。
「子供を産んだから、きっとああなったんじゃないかな。子猿が産まれるとき、大変だったんだよ」
息子は眉間に皺を寄せ、しかめ面をした。そして、つぶやいた。
「へえ~、そうなの。それにしてもキモい」
「……キモい、だって?」
なぜか、あたしは息子のその言葉にいたく反応してしまった。息子の肩を両手で押さえ込み、こちらを向かせた。
「キモい、だって? ちっともキモくねー。苦しい思いをしても子供を産んだお母さんは偉い。偉いといえ!」
「……偉い」
息子が小声でいい直した。あたしはつづけた。
「だいたいね、猿の世界では子供を産んでいるお母さん猿のほうが、モテるんだよ。雄猿が、この猿には自分の子供を任せて安心と思うから。ほんとだよ、子供のいる猿のほうがモテモテなんだ。知ってるか? 知らなかっただろ」
面倒臭そうに、息子はあたしの話しに頷いていた。
もしかして、いらないウンチクだった?
我ながら、鬱陶しい。
【悩み相談2】
バレンタインが近いけど、男の人は、本気で本当にチョコなんて欲しいの? あたしが男だったら、一時期にチョコばっかもらってもね、と思う。食べないで捨てるのは忍びないので、ありがた迷惑かもしれない。どうなのよ?
「親子猿」
「カンバ×カバ○」