2007年09月18日
使える男・使えない男
ここんとこ忙しいわりに仕事が進まなく、顔に四つもメンチョウができてしまった。
インタビューを受けて、ぜんぜんいってないことが書かれるってどういうことなの。
しかも、文章は日本語にすらなっていない。
あたしはさ、こういうの許せないの!
だって、努力の跡が見られないんだもの。
下手なのは仕方ないとしても、言葉の間違いは書いた原稿を一度見直せばわかることじゃん。間違いは一つや二つじゃないんだよ。
たまたま相手が自分とおなじ世界に憧れた若いお兄さんだったから、説教してしまった。したくないんだよ、そんなこと本当は。
でもさ、若い男はみんな息子とかぶって見える。
物を書くという才能がそれほどあるとは思えない若者が、努力もせずに物を書くとういう仕事をこのままつづけてはいけないだろう。
親切なんだ、あたしは。
だけど、相手はそうは見ないよなぁ。うるせぇババア、ってとこなんだろう。
説教してしまってからグジグジとそんなことを考えていたら、翌日、顔にメンチョウ四つよ。
痛い。けど、それ以上に醜いのがイヤ。
なぜ? 心はとっても綺麗なのに。……と、あたしは思う。
隠そうと思いファンデを触れると崩れそうなほど厚塗りしてみたけど、メンチョウの育ちがよくて誤摩化せそうにない。
しょうがねぇ。こうなったら最終手段、美容整形外科でニキビに穴を開けてもらうしかない。
レーザーで焼いてもらうの。治りが早くなるように。
さっそく連絡を入れ、病院へ向かった。
そこの先生とはたまに飲みにいく仲で、こういった場合、すぐに対応してもらえるという利点がある。
先生が好みのタイプで、そして普通の男だったら、もっと利点があったんだろう。
でも、先生は外国人しか受け付けない体質で、外国人と結婚しては離婚してまた結婚して……。で、その助手を務める看護士は、作曲の才能のあるオカマちゃんだ。
あたしのでっかいメンチョウを診て、先生はいった。
「ホルモンバランスが悪いんだよ。最近、セックスしてる?」
「してない」
「したほうがいいよ」
「そんなこたぁ、わかってる」
看護士のオカマが口を挟む。
「センセ、それは室井さんにとって、もっとも難しいことなのよ。いってはならないことなの!」
あたしは叫んだ。
「くぅ~。そろいもそろって、使えない男のくせして! あたしはね、使えない男が苦手なんだ。使えない男は、イライラするからあたしに近寄るんじゃねぇ。メンチョウができっから!」
余談ですが、若いライターに説教をした後、日刊ゲンダイの記者から電話がかかってきました。
厭な気分を少しでも払拭しようと、酒を飲んで酔っぱらっておりました。
記者はあたしにいいました。
「はじめて電話をします。夜分すいません。ところで、尻の割れ目が見えるようなローライズジーンズをどう思います? アメリカのうんちゃらかんちゃらという州で、ローライズジーンズを履くと罰金になったようですが」
「ごめん。わかんね、酔っぱらってるから。ファッションなんて個人の趣味じゃん。今のあたしにとってはどうでもいいこと過ぎて、きちんとしたコメントできない。ごめんね」
「いいんです、いいんです。こちらもいきなりの取材だったから、ごめんなさい」
「中身を出して歩いてるならともかく、いいんじゃね。……ああ、ごめん。やっぱ、かなり酔ってるな。せっかく電話くれたのに、ごめん。誰かほかの人に聞いてください」
というような数秒の会話があったのは覚えているの。
それが、翌日の日刊ゲンダイのコメントに堂々と使われているとは!
信じらんねぇ。「どうでもいい」っていったコメントが、そのまま載ってんだから。なのに、記事はおかしくない。きちんとできてる。
や、やるなぁ。そうあたしが思ったのはいうまでもない。
使える、いや使えすぎる男だよ。怖いやつめ。名前、なんてった?