2007年10月08日
観覧車の楽しみ方
世の中は三連休らしい。あたしは毎日、仕事だけどね。
といっても、頑張れば午後イチには終わる。息子とスキンシップすっか。
ネガティブなあたしは、息子を生んでからというもの少年犯罪の本をたくさん読んだ。
スキンシップは大事みたいよ。
将来、殴られたり、殺されたりしないためのスキンシップだ。
といっても、なにをしたらいいのか。
身体を触り合うとか、肌と肌をこすりつけ合う、というのはいくらなんでも単純すぎる。
顔と顔を突きつけ合い、深い話でもすっか。
が、7歳児の子供とでは話が盛り上がらない。
「最近、なにに凝ってんの? なにしてる時がいちばん楽しいの?」とあたし。
「ゲーム」と息子。
「ゲーム? ママは学校でお友達と一緒に、なにして遊んでるのか知りたいの」
「ゲーム」
「だから学校で……」
「だからゲーム。将棋だって、ドッチボールだって、ゲームだろ」
「……。」
く~っ。話していると殴りたくなってくる、こいつ。が、ぐっと我慢だ。
「じゃあさ、じゃあさ、好きな女の子できた?」
はぁ? という小馬鹿にした表情であたしをチラリと見る。なんだ、その態度。両手で息子の頬を押さえつけ、無理矢理こっちを向かせる。見るなら、しっかり見やがれ。
「やめろ」と息子。
「やだね」とあたし。
「やめろって、いってんだろうがぁ」
「なんだと、こらぁ」
くだらない。あまりにもくだらなさすぎる。せっかくの休日の会話じゃないよなぁ。まるでくたびれた中年夫婦のよう。
三日も学校が休みで、あたしはどうしたらいいの。三日もずっと二人っきりで、間が持たないってんだよ。
仕方がないので、遊園地へいってきた。マンネリだけどしょうがない。ほかに考えつかない。
けれど、ヤッホー! そこで一緒に盛り上がることのできる、新しい遊びをあたしたち親子は発見した。
観覧車に載って、カップルを囃すってやつね。どちらともなくやりだした。
頂上付近になると、前の席に載った人と席が近づくんだよ。
ガラス窓をドンドン叩くと、カップルはこっちを見る。
そしたら、あたしと息子は、ヒューなんて口笛吹いちゃったりして。
それだけじゃなく、唇を尖らせてチュウの真似事なぞしちゃったりして。
だけど、意外とカップルはただ笑うだけでキスしないのな。
「あいつらキスしないつもりかな」と息子。
「するだろ、カップルなら」とあたし。
「見たいな」
「見たい」
「どうしたら……」
お手本として、あたしと息子は抱き合ってキスして見せた。
そして、おまえらもやれとしつこく合図を送る。
「カーッ! ここまでやってんのにしないのか」
「やれよ。やってくれよ」
キスするカップルを見届けるため、あたしたちは4回も観覧車に乗った。
結果、4回も濃厚なキスをするはめになった。
これもスキンシップかな。……ちょっとキモい。