2007年12月24日
イヴなのに
イヴの日だっちゅーのに、独りでラーメン屋にいってしまった。
昼間だから、ま、いっか。
それにしても、ぜんぜんっクリスマスって気分にならない。
朝からワイドショーに出て、ラーメン食って昼から取材を二本こなし、それから原稿を二本書き……。
おっと、煙草が切れてるぜ。
「おまえの、よこせ」
と秘書にいったら、無視された。
「おい、おまえの煙草よこせ」
もう一度いったら、「キーッ!」という返事が返ってきた。
「金の計算をしているときに、話しかけるんじゃないよ! うるっせぇなぁ」
なんだと、こらぁ~。
「おい、おまえ、このデブ、いいかげんにしろ。おまえがあたしのストックしてある煙草をバカスカ吸うから、あたしが吸いたいときに切れているんじゃないか。てかさ、あたしは今、煙草を吸わないと原稿が書けないんだよね。おまえらの給料も払えないんだよね」
「うるっせぇな! この計算が終わったら買いにいきゃあいいんだろ。いくよ、いきますよ」
「今、いけ! すぐ、いけ! 走っていってこい」
秘書はもう一度「キーッ!」と唸って、椅子を蹴飛ばして出て行った。
なんだかなぁ、という感じだ。
もうあの女とは、口を聞くのも厭になってきた。
あと三日……。
あと三日で室井事務所も冬休み。
だがあたしは、今年最後の三日間を、耐えきれるだろうか。
なぜか、子供時代に観たボリジョイサーカスを思い出した。ボリジョイサーカスの白熊使い。
どうやって獰猛な白熊を手なずけているのか、指南を仰ぎたいものである。
いや、あたしが観たときにあの白熊使いは相当なご老人であったから、もうこの世の人ではないかもしれない。
秘書がいなくなったので、ちょっとサボってテレビをつけてみる。クリスマス特集をしている。
巨大なツリーとお洒落をしたカップルたち。
これって、おなじ世界の映像なの?
今のあたしにとっては、白熊使いが逝ってしまっただろうあの世よりも、遠い世界にしか思えない。